税率が上がっても、全部の所得に高い税率がかかるわけではない
所得税でいちばん誤解が多いのがここです。日本の所得税は超過累進課税といって、課税所得を段階に区切り、その段階を超えた部分にだけ高い税率をかけます。
たとえば課税所得が330万円をわずかに超えたとしても、全体に20%がかかるわけではありません。195万円までの部分は5%、195万円超〜330万円までの部分は10%、330万円を超えた分だけが20%です。「収入が増えて税率の区分が変わると、かえって手取りが減る」ということは所得税では起きません。
速算表で使う「控除額」は、この段階ごとの計算をまとめて処理するための数字です。当ツールもこの方式で計算しています。
課税所得と年収は別物
当ツールは課税所得を入力する形式です。年収をそのまま入れると税額が過大に出ます。課税所得は、年収から次のものを引いた後の金額です。
- 給与所得控除(給与収入に応じて自動的に決まる)
- 基礎控除
- 社会保険料控除(健康保険・厚生年金・雇用保険の支払額)
- 扶養控除、配偶者控除、生命保険料控除、iDeCoの掛金 など
源泉徴収票をお持ちなら、「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額が課税所得にあたります。なお給与所得控除と基礎控除は令和8年の改正で見直されているため、古い早見表の数字をそのまま使わないでください。
住民税と所得税は課税されるタイミングが違う
所得税はその年の所得に対してその年に納めますが、住民税は前年の所得に対して翌年6月から納める後払いです。そのため、退職した翌年や収入が大きく減った年に「収入がないのに住民税の請求が来る」ということが起こります。転職や独立を考えるときは、この時間差を見込んでおくと資金繰りで慌てません。
当ツールの住民税は、課税所得のおよそ10%として概算しています。実際には所得割のほかに均等割が加わり、自治体によって多少差があります。
よくある質問
- 課税所得とは何ですか?
- 年収から給与所得控除・基礎控除・社会保険料控除などの各種控除を引いた後の、税金の対象となる金額です。源泉徴収票や確定申告書で確認できます。
- 復興特別所得税とは?
- 所得税額に2.1%上乗せされる税で、令和19年(2037年)まで課されます。本ツールは自動で加算しています。
- 住民税はどう計算していますか?
- 課税所得のおおよそ10%として概算表示しています。実際は自治体・各種控除により多少異なります。